振り返り(8/8)

フェーズ 8: 振り返り

リリース後の振り返りと次回への改善を図るフェーズ。学習したパターンの抽出、メモリの更新、プロセス改善を通じて、継続的に開発効率を向上させる手法を解説。

workflowecclearningpatternsmemoryproductivityshortcuts

このフェーズに入ってよいか

次の条件をすべて満たしてから着手します。

  • リリースが完了しているか、ロールバックが収束し docs/workflow/release-record.md に結果が記録されている
  • 要件・検証・レビュー・リリースの記録と、利用者または運用からの観測を参照できる

このフェーズの主要ツール

各ツール・スキル・コマンドを「なぜ使うか/期待される効果」とあわせて掲載しています。詳細は各マニュアルへ。

Claude CodeClaude Code
なぜ使う
セッション終了前に、# プレフィックスのクイックメモリや /memory で CLAUDE.md を更新し、学んだ知見をその場で永続化したいとき。リリース直後の「次タスクへ即移行」を防ぐ最初の一手として使う。
期待される効果
セッションと共に消えるはずだった知見が CLAUDE.md / auto-memory に残り、次回セッション開始時に自動ロードされてゼロスタートを回避できる。
learnerOMC/oh-my-claudecode:learner
なぜ使う
うまくいった解法やワークフローを再利用可能なスキルパターンとして抽出したいとき。手動メモでは取りこぼす暗黙知を品質ゲートで篩いにかけて残したい場面で使う。
期待される効果
厳格な品質ゲートを通過したパターンのみが保存され関連する場面で自動注入されるため、低品質パターンのノイズ混入を防ぎつつ再利用性が上がる。
continuous-learning-v2 (instinct)ECC/instinct-status
なぜ使う
信頼度スコア付きの instinct として学習を蓄積し、/evolve でスキルへ進化、/instinct-export と /instinct-import でチームへ展開したいとき。個人の学習を組織知に変える振り返りの締めで使う。
期待される効果
学習が信頼度付きで管理され、/prune で鮮度を保ちながらチーム間で instinct を共有でき、属人化と同じミスの再発を抑制できる。

目的

リリース完了後にプロセスを振り返り、学習したパターンを抽出して次回の開発に活かす。メモリの更新、スキルの改善、技術的負債の棚卸しを通じて、継続的な改善サイクルを回す。

開始条件

  • リリースまたはロールバックが収束し、docs/workflow/release-record.md がある
  • 要件・検証・レビュー・リリースの記録と運用上の観測を参照できる

入力成果物

  • docs/workflow/requirements.md
  • docs/workflow/test-evidence.md
  • docs/workflow/review-report.md
  • docs/workflow/release-record.md

実行手順

  1. 期待した結果と実際の結果を証拠から比較する
  2. 事実、判断、うまくいった点、問題を分ける
  3. 改善点ごとに次の行動、反映先、または対応しない理由を決める
  4. 再利用する知識を反映し、次サイクルの入力を作る

期待成果物

  • docs/workflow/retrospective.md
  • docs/workflow/next-intake.md
  • 更新されたプロジェクト規約、運用手順、再利用可能な知識

終了条件

  • 事実・判断・学びと、改善点の扱いが記録されている
  • 次サイクルの入力を要件理解へ引き渡せる

失敗時の戻り先

  • リリース結果が不明ならリリースへ戻る
  • 検証・レビュー証拠が不足する場合は該当フェーズの記録を補う
  • 行動に結び付かない所感は観測事実と次の判断へ分解し直す

Before / After

Before: 従来のやり方

  • リリースしたら即座に次のタスクへ
  • 学習したパターンがセッションと共に消失
  • 同じミスを繰り返す
  • プロジェクトの知識が属人化

After: ツール活用後

  • セッションから再利用可能なパターンを自動抽出
  • プロジェクトメモリが更新され、次回のセッションで活用
  • 技術的負債が記録され、計画的に返済
  • スキルが進化し、チーム間で共有可能

レベル別アプローチ

Beginner

Level 1 プレイブック

入力例

要件・検証・レビュー・リリース記録: docs/workflow/

コマンド / プロンプト

claude

各記録を読み、期待と実際の差を証拠付きで振り返ってください。
事実、判断、学び、次の行動を docs/workflow/retrospective.md に保存し、
次サイクルの課題だけを docs/workflow/next-intake.md にまとめてください。

生成物例

# 振り返り
## 事実
表示順の重複管理を解消した。
## 学び
順序は frontmatter の order だけから生成する。
## 次の行動
新フェーズ追加時に工程接続を確認する。

検証

test -s docs/workflow/retrospective.md
test -s docs/workflow/next-intake.md
rg -n '^## (事実|学び|次の行動)$' docs/workflow/retrospective.md

出口判定

  • 事実と解釈が分かれ、改善点の扱いが決まっている
  • 次サイクル入力を要件理解へ渡せる

Claude Code のメモリ機能で基本的な振り返り。

# クイックメモリに記録
Claude Code > # このプロジェクトでは Supabase RLS の書き方に注意
# → CLAUDE.md に追記される

# セッションの要約
Claude Code > このセッションで学んだことをまとめて

# /memory でメモリファイルを編集
Claude Code > /memory
# → エディタで CLAUDE.md を開く

手順:

  1. # プレフィックスでクイックメモリに重要な知見を記録
  2. セッション終了前に学習内容をまとめる
  3. /memory で CLAUDE.md を編集し、プロジェクトの知識を更新
  4. 改善点を次回のセッションで活かすためのメモを残す

Intermediate

OMC の learner / notepad / project-memory と ECC の continuous-learning を活用。

# OMC: learner(パターン抽出)
/oh-my-claudecode:learner
# セッションから再利用可能なスキルパターンを抽出
# 厳格な品質ゲートを通過したパターンのみ保存
# 関連する場面で自動注入

# OMC: notepad(3セクション構造)
# priority: 常にロードする重要事項
# working: タイムスタンプ付きの一時的な作業メモ
# manual: 永続(自動プルーンなし)
/oh-my-claudecode:hud
# → notepad_read で振り返り内容を確認

# OMC: project-memory(永続プロジェクト知識)
# techStack, build, conventions, structure, notes, directives
# セッションをまたいで永続化

# ECC: continuous-learning(パターンの自動抽出)
/learn
# セッション中にパターンを抽出して保存

# ECC: continuous-learning-v2(本能ベース学習)
# 信頼度スコア付き、インポート/エクスポート、進化
/instinct-status
/evolve

手順:

  1. OMC learner でセッションからスキルパターンを抽出
  2. OMC notepad の manual セクションに重要な知見を永続記録
  3. OMC project-memory の conventions と notes を更新
  4. ECC continuous-learning でパターンを自動抽出
  5. 改善点を OMC notepad の priority セクションに記録(次回セッション開始時にロード)

Advanced

ECC の instinct ベース学習と OMC のセッション間記憶で、継続的な改善サイクルを構築。

# ECC: instinct ベース学習
/instinct-status
# 信頼度スコア付きで学習済みパターンを確認

/evolve
# 関連する instinct をクラスタリングしてスキルに進化

/instinct-export
# チームメンバーと instinct を共有

/instinct-import
# 他の人の instinct をインポート

/prune
# 期限切れの instinct を削除

# OMC: project memory の包括的更新
# project_memory_write で包括的なプロジェクト知識を更新
# techStack, build, conventions, structure, notes, directives

# ECC: skill-stocktake
/skill-stocktake
# スキルとコマンドの品質監査

# ECC: harness-audit
/harness-audit
# ハーネスの信頼性、評価準備性、リスク態勢の監査

# OMC: session recovery
# セッション状態の永続化とリカバリ
# 次回のセッションで前回のコンテキストを引き継ぎ

手順:

  1. ECC instinct-status で学習済みパターンの信頼度を確認
  2. ECC evolve で関連パターンをクラスタリングしてスキルに進化
  3. OMC project-memory の全セクションを更新
  4. ECC skill-stocktake でスキル品質を監査
  5. ECC harness-audit でハーネス全体の健全性を評価
  6. チームと instinct を共有(ECC instinct-export/import)

ベストプラクティス

  1. セッション終了前に必ず振り返り -- 学習内容をメモリに保存せずにセッションを終了すると、次回はゼロスタート。OMC notepad や ECC instinct に記録する
  2. パターンは品質ゲートを通す -- OMC learner は厳格な品質ゲートでパターンを評価する。低品質なパターンはかえってノイズになる
  3. instinct をチームで共有 -- ECC instinct-export/import で、個人の学習をチーム全体に展開する。組織のナレッジが蓄積される
  4. project-memory を定期的に更新 -- プロジェクトの技術スタック、ビルド手順、規約が古くなると、AIの提案の精度が下がる
  5. 技術的負債を記録 -- 振り返りで見つかった負債を OMC project-memory の notes に記録し、計画的に返済する
  6. スキルの品質を監査 -- ECC skill-stocktake と harness-audit で、スキルとハーネスの健全性を定期的に評価する

よくある罠

振り返りをスキップ

「次のタスクが待っている」からと振り返りを省略すると、同じミスを繰り返す。セッションの最後に短くても振り返りの時間を確保する。

メモリの更新忘れ

CLAUDE.md や project-memory の更新を忘れると、次回のセッションで古い情報に基づいて AI が提案する。セッション終了前に必ず更新する。

低品質なパターンの保存

「なんとなく上手くいった」レベルのパターンを保存すると、ノイズになる。OMC learner の品質ゲートを通過したパターンのみ保存する。

instinct の棚卸し不足

学習した instinct を放置すると、古くなったパターンが残り続ける。ECC prune と evolve で定期的に整理する。

チーム内での知識共有不足

個人が学習したパターンをチームに共有しないと、組織としての学習が進まない。ECC instinct-export/import と OMC learner スキルで共有する。

このフェーズを終えてよいか

次の条件をすべて満たしたときだけ完了とします。

  • 事実・判断・学びが docs/workflow/retrospective.md に分けて記録されている
  • 各改善点に次の行動または対応しない理由があり、再利用する知識がプロジェクト文書へ反映されている
  • 次サイクルの入力が docs/workflow/next-intake.md として要件理解へ引き渡されている

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