フェーズ 2: 調査
実装前に既存のコードベース、ドキュメント、外部リソースを体系的に調査するフェーズ。AIエージェントを活用して、リサーチの網羅性と効率を劇的に向上させる手法を解説。
このフェーズに入ってよいか
次の条件をすべて満たしてから着手します。
- 承認済みの docs/workflow/requirements.md に目的・範囲・受入条件が記録されている
- 対象コード、関連ドキュメント、利用中バージョンを読み取りできる
このフェーズの主要ツール
各ツール・スキル・コマンドを「なぜ使うか/期待される効果」とあわせて掲載しています。詳細は各マニュアルへ。
- なぜ使う
- 実装前に既存コードの構造・命名規則・依存を把握したいとき、Glob で俯瞰し Grep で検索、Read で核ファイルを確認する。LSP の goto definition / find references で間接的な呼び出し元まで追う。
- 期待される効果
- 既存パターンとの不整合や機能の再実装を防ぎ、Grep では見落とす間接依存も LSP で拾えるため、影響範囲の見落としによる手戻りを削減できる。
/oh-my-claudecode:deepsearch- なぜ使う
- 単発の Grep では追えない「認証がどこでどう実装されているか」のような横断的な問いを、コードベース全体を高速マッピングして解きたいときに使う。裏で explore エージェント(haiku)が動く。
- 期待される効果
- 手動でのファイル開閉を省いてコードベース全体の構造を短時間で把握でき、調査の網羅性を担保したうえで実装方針を素早く固められる。
/documentation-lookup- なぜ使う
- React 19 や Stripe API など外部ライブラリ/フレームワークの最新仕様を、訓練データではなく Context7 MCP 経由で公式ドキュメントから確認したいとき。バージョン不一致が疑わしい API 調査で特に有効。
- 期待される効果
- 古いバージョンのドキュメントによる実装ミスを防ぎ、常に最新の API リファレンスに基づいて実装できるためバージョン起因の手戻りを回避できる。
目的
実装に必要な情報を網羅的に収集し、既存コードの構造・依存関係・制約を把握する。車輪の再発明を防ぎ、既存のパターンとの一貫性を確保する。
開始条件
- 承認済みの
docs/workflow/requirements.mdに目的・範囲・受入条件がある - 対象コード、関連資料、利用中バージョンを読み取りできる
入力成果物
docs/workflow/requirements.md- 対象リポジトリ、プロジェクト規約、依存定義、公式ドキュメント
実行手順
- 受入条件ごとに調査する問いを作る
- 既存実装、呼び出し元、テスト、設定を根拠付きで追跡する
- 外部仕様を利用中バージョンの公式資料で確認する
- 選択肢、制約、影響範囲、未解決リスクを統合する
期待成果物
docs/workflow/research.md- 問いごとの結論、根拠、影響範囲、既存パターン、残る仮定
終了条件
- 既存実装・影響ファイル・依存・制約が根拠付きで記録されている
- 計画を止める不明点がなく、残るリスクと仮定が明示されている
失敗時の戻り先
- 調査範囲を決められない場合は要件理解へ戻る
- 根拠不足なら問いと情報源を見直し、このフェーズを続ける
- 情報へアクセスできない場合は仮定・影響・判断者を明記して解消を依頼する
Before / After
Before: 従来のやり方
- 手動でファイルを開いてコードを理解
- 関連するドキュメントを探して個別に読む
- 影響範囲の見落としで後から手戻り
- 「こんな機能が既にあった」と実装後に発覚
After: ツール活用後
- AIエージェントがコードベース全体を瞬時にマッピング
- 依存関係・影響範囲が自動で可視化
- 外部ドキュメントの検索と要約が自動化
- GitHub リポジトリ検索で既存の実装例を即座に発見
レベル別アプローチ
Beginner
Level 1 プレイブック
入力例
入力: docs/workflow/requirements.md
問い: 順序とツール情報の正規データはどこか。
コマンド / プロンプト
claude
要件書を読み、コードは変更せずに調査してください。受入条件ごとに
関連ファイル、現在のデータ源、依存、既存テスト、制約、リスクを
根拠のパス付きで docs/workflow/research.md に保存してください。
生成物例
# 調査報告
## 順序
- 正規候補: workflow frontmatter の order
- 重複箇所: 一覧、詳細、マップ
## ツール情報
- 正規候補: keyTools
- 所属検証: src/lib/tool-catalog.ts
検証
test -s docs/workflow/research.md
rg -n '根拠|影響範囲|未解決リスク' docs/workflow/research.md
出口判定
- 各結論に根拠があり、影響範囲を説明できる
- 計画を止める不明点が残っていない
Claude Code の基本ツールでコードベースを調査する。
# ファイル検索
Claude Code > src/ ディレクトリの構造を教えて
Glob ツールで src/**/*.ts を検索
# コード内容検索
Claude Code > 認証関連のコードを全て見つけて
Grep ツールで "auth" を検索
# LSP によるコードインテリジェンス
Claude Code > この関数の定義場所を教えて
LSP ツールで goto definition を実行
# Web 検索でドキュメント確認
Claude Code > React 19 の Server Components の仕様を調べて
WebSearch ツールで最新ドキュメントを検索
手順:
Globでディレクトリ構造を把握Grepで関連コードを検索Readで重要ファイルの内容を確認WebSearchで外部ドキュメントを参照
Intermediate
Superpowers の systematic-debugging の調査フェーズと OMC の explore エージェントを活用。
# OMC: explore エージェント(高速なコードベース検索)
> このコードベースで認証がどう実装されているか調べて
# explore エージェント(haiku)が高速にマッピング
# OMC: external-context(外部ドキュメントの読み込み)
/oh-my-claudecode:external-context
> Next.js App Router のドキュメントを読み込んで
# Superpowers: systematic-debugging の調査手法
# Root Cause Investigation の証拠収集パターンを調査に応用
# エラー読み取り → 再現 → 変更確認 → データフロートレース
# OMC: document-specialist エージェント
> Supabase の RLS ポリシーの書き方を調べて
# リポジトリの docs を優先し、見つからなければ Web にフォールバック
手順:
- OMC explore エージェントでコードベース全体を高速マッピング
- OMC document-specialist でフレームワーク/API のドキュメントを検索
- Superpowers の調査パターンで体系的に証拠を収集
- Context7 MCP で最新のライブラリドキュメントを取得
Advanced
OMC の並列調査と ECC の search-first で多角的にリサーチ。
# ECC: search-first(リサーチファースト開発)
/search-first
> この機能を実装する前に、既存の解決策を調査して
# GitHub リポジトリ検索 → パッケージレジストリ確認 → ドキュメント参照
# OMC: ultrawork(最大並列で調査)
ulw 調査タスクを並列実行して:
1. 認証フローの既存実装を確認
2. データベーススキーマの依存関係をマッピング
3. 外部APIの仕様を確認
4. テストカバレッジの現状を分析
# ECC: documentation-lookup スキル
> Stripe API の Payment Intent の仕様を調べて
# OMC: sciomc(データ分析・統計的推論)
/oh-my-claudecode:sciomc
> パフォーマンスメトリクスからボトルネックを特定して
手順:
- ECC search-first で既存の解決策を横断検索
- OMC ultrawork で複数の調査タスクを並列実行
- OMC scientist エージェントでデータ分析
- Context7 MCP でライブラリの最新ドキュメントを取得
- 調査結果を OMC notepad / project memory に永続化
ベストプラクティス
- 実装前に既存コードを確認する -- ECC の search-first は「実装前に既存の解決策を調べる」をワークフロー化している。手動でのコード検索を省略しない
- 調査結果をメモリに永続化 -- OMC notepad の priority セクションに重要な調査結果を記録する。セッション終了後も参照可能
- 並列で効率化 -- 独立した調査タスクは OMC ultrawork か Superpowers dispatching-parallel-agents で並列実行する
- 公式ドキュメントを優先 -- OMC document-specialist は「リポジトリの docs を優先し、Web にフォールバック」する順序を自動化している
- LSP を活用 -- Claude Code の LSP 統合で、定義ジャンプ・参照検索・診断を活用し、手動でのファイル検索を減らす
よくある罠
調査不足で実装開始
「大体わかった」で実装を始めると、既存のパターンとの不整合や、既にある機能の再実装が発生する。ECC の /search-first はこれを防止するためのもの。
外部ドキュメントのバージョン不一致
WebSearch で見つけたドキュメントが古いバージョンの可能性がある。Context7 MCP や OMC document-specialist は最新ドキュメントの取得を自動化する。
調査結果がセッション間で失われる
調査で得た知見を CLAUDE.md や project memory に保存しないと、次回のセッションで同じ調査を繰り返すことになる。OMC notepad や ECC continuous-learning で永続化する。
影響範囲の見落とし
Grep でキーワード検索だけでは、間接的な依存関係を見落とす。LSP の find references や goto definition で、呼び出し元まで含めて影響範囲を確認する。
並列調査の結果統合を忘れる
OMC ultrawork で並列調査を実行した後、結果の統合・矛盾の解消を忘れがち。調査完了後には必ず結果の統合レビューを行う。
このフェーズを終えてよいか
次の条件をすべて満たしたときだけ完了とします。
- 既存実装・影響ファイル・依存・制約が根拠付きで docs/workflow/research.md に記録されている
- 技術選択に必要な不明点が解消され、残るリスクと仮定が明示されている
- 要件書と調査報告を計画フェーズへ引き渡せる
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